# 037

やあ。僕は地球からやって来た。

愛と憎しみの世界からやって来た。
逃げ道が運命のねじれの世界だった。
死が生きていくための食べ物の世界だった。
与えられる物が暗黙の贈り物の世界だった。
僕は隔てられたいくつもの橋の世界からやって来た。
そして川がまさに化学薬品が隠された場所から流れる世界だった。
僕は、空が公害の為の腰掛けだった世界からやって来た。
そして刑務所は単なる解決策でしかなっかた。
寄付が殺人である世界。
そして若さという声は届かない。
僕は王様と大統領の世界からやって来た。
証拠がない事が真実の支配である世界だった。
魂の解放。
日が経つにつれて冷たい。
僕はこれ以上ない世界からやって来た。

僕は裕福と貧困の世界からやって来た。
飽食と餓死。
見知らぬ人が休日の食事を楽しんでいる時、子供たちが飢えている世界。
僕は、銃やナイフがおもちゃがわりの世界からやって来た。
それらは子供の心に与えられる贈り物だ。
そこでは君にサンタクロースの存在を信じるよう教えた場所。
しかし決して君に自分を信じなさいとは言わない。
僕は自分が大好きだ。
僕は秩序と混乱の世界からやって来た。
境界線を越えるのを一目見るなり発砲をもたらす世界。
安全は殺し屋の目の届かない所であった世界。
僕は光を注ぐために来た。
僕たちはみな仲良く暮らす事はできないの?
僕は世界からやって来た。
僕はこれ以上ない世界からやって来た。
僕は何百万もの国境の世界からやって来た。
そして200もの夏のための異なったドラマーに歌を歌った。
不足と大多数の世界。
少数意見と優先順位の最後にくるものの間の一つの境界線。
秘密女性社交クラブと会員のみ。
年老いた者が孤独に死ぬ世界。
多くの人達が死んだ間に壁が引き裂かれた世界からやって来た。
地球温暖化は最後の日は近いという警告だった。
しかし彼らの無知の中で誰一人として聞くことができなかった。
君が着ている物のみ。
いくつかの毒が君の髪を染めていた。
そして大気圏のオゾン層にいくつもの穴を開けた。
僕はこれ以上、実行犯になりたくない。
君が心配していたのは、現状の事だけ。
僕は世界からやって来た。
僕はこれ以上ない世界からやって来た。

この歌詞の中で、「予防と健康管理」を示唆する部分は

1(川がまさに化学薬品が隠された場所から流れる世界)
2(空が公害の為の腰掛けだった世界)
3(地球温暖化は最後の日は近いという警告だった)
4(何種類かの毒が君の髪を染めていた)
5(大気圏のオゾン層にいくつもの穴を開けた)

英語の持つニュアンスを日本語に訳すのはなかなか難しく
直訳するとこんな感じの変わった歌詞になってしないました。
1は、川には化学薬品が垂れ流されている、つまり水質汚濁を意味していると思われます。
河川や湖沼、海洋などの水環境の水質が悪化することを水質汚濁といい、汚濁の要因は、工業廃水、生活排水、鉱物汚染、農薬汚染、二次的に発生する富栄養化など、さまざまですが、そのいずれもが生物の生存を危うくし、人間の健康を損なう要因となります。

2は、空と公害というキーワードから大気汚染が連想されます。大気汚染とは経済活動の発展とともに、人類は石炭や石油などの化石燃料を大量に使用するようになり、化石燃料は燃焼させることによって、硫黄酸化物や窒素酸化物などを大気中に放出した汚染物質のことです。これらの汚染物質に大気中で紫外線や水蒸気の作用を受けて硝酸や硫酸の微粒子へと変化し、浮遊します。これが雨に溶けこんで地上に降り注ぎ酸性雨の原因につながります。工場か出される汚染物質もそうですが、身近なものとしては車の排気ガスも原因のひとつなので、自分も車を運転しているため、なんとも言えず耳が痛い気持ちです。

3は地球温暖化を謳っています。化石燃料を燃やすことによって、大量の二酸化炭素が発生します。大気中の二酸化炭素の増加は、地球温暖化を促進する大きな要因になっています。そのしくみは、地球に降りそそぐ太陽光線のうち約30%は雲などによって反射され、残りの約70%が地上に到達し、太陽光線は地表を暖め、その結果、地表から赤外線(熱)が放射されます。この赤外放射の大部分は宇宙空間に放出されますが、その一部は二酸化炭素、水蒸気、メタンなどによって吸収され、地球を暖めます。これが温室効果です。全地球表面の平均気温は約15度です。太陽光線の入射と宇宙空間への赤外放射のバランスによって、地球はほどよい温度に暖められているのです。しかし二酸化炭素、水蒸気、メタンなどの温室効果ガスの濃度が増加すると、地表からの赤外放射は大気中でより多く吸収されるようになります。宇宙空間に逃げていく赤外放射は少なくなり、大気中に熱が蓄積されます。この結果、温室効果が進み、地球温暖化の現象がもたらされます。温暖化は、森林破壊、砂漠化、大気大循環の変動などによって、地球が長い時間をかけてつくりあげてきた生態系に甚大な被害を与え、生態系の微妙なバランスが崩れることによって、多くの生物種が地球から姿を消すことになります。

4は化学物質を示唆しており、毛染め剤や整髪量、ヘアスプレーには様々な合成化学物質が含まれており、地球上には2000万種類以上の合成化学物質があり、27秒に1種類の割合で新たな化学物質が合成されているといいます。こうした化学物質がつくられる際に、または使用時、さらに廃棄物となった際には、環境中へさまざまな化学物質が放出されます。そして水質汚濁や大気汚染、スプレーの噴射によりフロン(フッ素と炭素からなる化合物)が撒き散らされオゾン層破壊につながります。

5は4との関連が深く、オゾン層破壊について嘆いていると思われます。オゾン層破壊の最大原因は、フロンとよばれる物質です。フロンは化学的にきわめて安定した物質で、不燃性、人体に無害であるというすぐれた特性をもっています。1928年に開発されて以来、冷蔵庫やエアコン、自動販売機などの冷却用冷媒、電子部品をつくる際に使われる洗浄剤、スプレーの噴射剤など、多岐に渡って使用されてきましたが、化学的に安定した物質であるため、大気中に放出されたあとほとんど分解されることなく上空の成層圏に達します。ここで太陽からの強い紫外線によって分解されますが、その時塩素原子を遊離します。この塩素原子の遊離が、オゾン層破壊の反応を次々と連鎖的につくり出し、有害な紫外線量を増加させいます。これにより人体に深刻な影響を与えます。たとえば、白内障という目の病気や免疫機能の低下、そして皮膚がんの増加などです。なかでも皮膚がんの増加は、もっとも問題視されています。人間にこれだけの被害があるのですから、動物には何もないとはいえないでしょう。

人間が作り出したもので人間自らが苦しむのは、自業自得で片付けられますが、地球に住んでいるのは人間だけではありません。私たちの身のまわりには様々な自然があり、そこは鳥や魚、昆虫たちなどの動物にとって貴重なすみかでもあります。それらの生息場所を水質汚濁や大気汚染、化学物質などで奪わないよう、つね日ごろから注意しなければならないと実感しました。地球はひとつで、もうこれ以上ないものだから、大切にしないといけない、未来につなげないといけないと思います。